一度食べたら忘れられない！ほたての貝焼きが絶品の「食事処 おさない」

青森新町市で創業し、70年以上この地で定食や郷土料理を提供し続けている「食事処 おさない」。11時のオープンと同時に地元の人はもちろん、青森に出張で訪れているビジネスマンたちが次々に来店、週末は観光客でにぎわう光景が定番となっている。

同店の自慢はホタテ料理。貝を使って食材を調理する郷土料理の貝焼きから刺身にフライなどすべてのメニューにおいて活ホタテを使っている。「冷凍を使うところが主流ですが、うちはすべて活ホタテ。刺身の鮮度は言うまでもないですが、調理するものはその味に格段の差が出ますね」と佐藤さん。

ほかにも、お米は青森県産つがるロマンを使用するなど、地元の食材にもこだわっている。

活ホタテを使った料理は、圧巻のひと言！

オープン前に厨房を見せていただくと、すでにキレイに整えられたホタテがズラリと並んでいた。「まずは貝柱、ヒモなど部位ごとに分ける作業をします。と同時に貝柱のサイズや状態を見て、それぞれのメニューに合わせて選別をしていきます」と佐藤さん。大きいサイズの貝柱は刺身に、小さめの貝柱は貝焼みそ用になど瞬時に見極めながら下ごしらえをしていく。

数あるホタテ料理の中でもダントツで人気なのが「ほたて貝焼き味噌定食」。活ホタテを使用しているからこその濃厚なダシが決め手となっていて、味噌に負けない風味を誇っている。大きめにカットされた貝柱も食べ応え十分で、トッピングのウニとの相性もバツグンだ。また、玉子とじの半熟加減もちょうど良い。「地元では貝焼きをご飯にかけて食べるんですよ」と佐藤さん。地元風に味わってみると、これがまた格別。思わず笑みがこぼれるおいしさで、玉子の半熟はこのためだったのか！と、箸が止まらない。

「最近では海外からの観光客も増えました。以前、観光の予定表を忘れてしまったお客様がいたんですが、見てみると、“おさないでほたて貝焼きを食べる”って書いてあって。旅行に来る前からプランに入れていただけているなんて、うれしい限りです」(佐藤さん)。同店でこの味を知れば、誰もが、その観光客は満足したに違いない！と太鼓判を押すことだろう。ほかにも、新鮮だからこそ味わえる「ほたてひも刺身」410円(10％税込)も味わってほしい！

郷土料理をアレンジして地元の食文化を発信

「食事処 おさない」が店を構える青森市新町商店街は、「しんまちの逸品」を紹介する取組みを行っており、同店では毎年異なるメニューを考案。「逸品に規定はないのですが、せっかくなら観光でいらっしゃる方に郷土料理を知っていただこうと思って」と佐藤さん。その言葉通り、これまで、薩摩揚げを薄く大きく四角く仕上げた郷土料理の練り物でおでんの具として重宝されている大角天(だいかくてん)を使って丼にした「大角玉子丼」や、青森を代表する山海の幸、長いもとホタテをカレーにした「とろっとほたてカレー」などを作ってきた。

2019年の逸品は「けの汁ラーメン」。“けの汁”とは、津軽地方に伝わる郷土料理で、“粥の汁”がなまってその名が付いたと言われている。大根やニンジン、ワラビ、油揚げなどを細かく切って煮込んだ汁ものだ。

佐藤さんは「すでにメニューにけの汁を出していたので、ラーメンにしたらおもしろいかなと思って作ってみました。出汁や隠し味などはラーメンに合うようにと、ひと手間加えています」と微笑む。いただいてみると味噌ベースのラーメンとなっているが、深いコクのある特製スープに仕上がっている。

「郷土料理も工夫次第で新しい味を楽しむことができます。今あるものをそのままお出しするのではなく、ほんの少しアレンジをして味わっていただく。これまでやってきたことをこれからも続けて、青森に来ていただいた方に楽しんでいただきたいです」と佐藤さん。郷土愛に満ちた佐藤さんの挑戦は、新しい食文化の発見でもある。同店を訪れた際は、名物のホタテ料理とともに、佐藤さんが生み出す逸品を堪能しよう。

※食事処 おさないはAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です

【編集・取材・文＝CRAING/撮影＝齋藤ジン/ウォーカープラス編集部】

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品によって軽減税率の対象となる場合があり、表示価格と異なる場合があります。

CRAING