瀬戸物文化・青森の工芸品を現代に伝える「うつわのみせ大坂屋」

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

1885年(明治18年)に青森県青森市で創業した「うつわのみせ大坂屋」。日本全国の陶磁器を扱うほか、津軽塗など伝統品も扱っている。「祖父の代までは金物や生活雑貨なども扱っていたようですが、その後分業し、現在は陶磁器専門店として営業しています」と話すのは、5代目になるべく修行中の大坂真樹子さん。

5代目になるべく修行中の大坂真樹子さん。店舗は「大坂屋」の大きなロゴが目印


134年前から今と同じ場所で商いを続けており、店内には創業当時の蔵も。周囲を壁で囲んでいるが蔵戸は重厚感たっぷり


店内には所狭しと陶磁器が並ぶ。その数は4万店を超えるという。さらに店内には蔵戸らしき重厚感を漂わせているものが。「これは創業当時の蔵なんですよ。中を事務所にしているんですが、実はとても寒いんです(笑)」と大坂さん。創業から134年もの間この土地で商売を続けているだけあり、歴史を感じさせる蔵が現存しているというのも納得だ。


青森県を代表する工芸品のひとつ、津軽塗の「唐塗 夫婦汁椀箸付」(2万2440円)


津軽塗の「唐塗 ボールペン」(各3080円)


自然豊かな青森の四季やねぶたの華やかさを想像させる「津軽びいどろ 盃」(各1000円)


観光船が多く寄港する青森港から徒歩で向かうことができる青森市新町商店街には、外国人観光客の姿も多く見られる。「海外では和食文化が流行しているので、おみやげのほか、ご自宅用にと和食器を買い求める方が増えています。20代くらいの女の子が自分で抹茶を点てるといって抹茶セットを買っていただいたことも。とても驚きましたね」と大坂さん。

青森県を代表する工芸品の津軽塗は、食器から湯呑、急須台や箸立てのほか、ボールペンなども豊富で、華やかな色合いが美しい津軽びいどろも多彩にそろえている。

スタイリッシュな雑貨をそろえ、トレンドに敏感な世代にもアプローチ


大坂さんは「市内に瀬戸物屋が本当に少ないので、“ないものがない”ようにしています。ねぶた祭りの時期は飲食店の方が、お客さんが多すぎて食器を補充しに来店することもあるので(笑)。普段使いのアイテムの中ではお弁当箱といった生活に欠かせないものもそろえています」と話す。

季節を感じさせる絵柄がデザインされた暖簾


お香や絵ろうそくなど華やかな和雑貨も豊富


一方で、店内には華やかな暖簾やお香に絵ろうそくなどの和雑貨が並ぶ一角も。「昔は瀬戸物を買い換えるという文化がありましたが、今その習慣は少なくなってきています。その代わり、最近では和雑貨が外国人観光客や若い世代に人気があるので、時代に合わせた商品も扱うようにしています」と大坂さん。

5代目として修行を積んでいる大坂さんは、老舗であることに甘んじることなく、ギフトショーなどに足を運び人気のアイテムなどをそろえるなど、流行にアンテナを張って商品を仕入れている。

残念ながら同店は区画整理のため2019年10月31日までの営業となってしまうが、5年後に同じ場所で再営業する予定となっている。「新しく開業する店ではこれまで以上に皆さんに親しまれる店として営業していきたいと考えています。時代に合わせて柔軟に変化、進化していきたいですね」

同店の営業は残りわずかだが姉妹店「AYaKaSo by うつわのみせ 大坂屋」が、青森駅よりJRバスまたは青森市営バスで約15分の場所にある「サンロード青森」にあるので、閉店後はそちらに足を運んでみて。

※うつわのみせ大坂屋はAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です

【編集・取材・文=CRAING/撮影=齋藤ジン/ウォーカープラス編集部】

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となる場合があり、表示価格と異なる場合があります。

CRAING

この記事の画像一覧(全7枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

花火特集

花火特集

全国約800件の花火大会を掲載。2024年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

花火大会人気ランキング

ページ上部へ戻る