コミュニティボードで地元愛溢れるメッセージを発信!出雲大社のおひざ元で地域と住民、観光客の“縁”を結ぶ

東京ウォーカー(全国版)

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スターバックス コーヒー 出雲大社店

スターバックスの店内で、さまざまなメッセージがイラストとともに描かれた黒板を見かけたことはあるだろうか?これは「コミュニティボード」と呼ばれ、パートナー(従業員)が思いを込めて描いた手作りのメッセージボードだ。お店がある地域を元気にする手伝いをしたいという思いや活動を、来店客や地域の方々に伝えるツールとして活用されている。

このコミュニティボードを通して、地元の魅力を発信し続けている店舗の1つがここ。縁結びの神と名高い出雲大社の参道入口、勢溜の大鳥居の前にある「スターバックス コーヒー 出雲大社店」だ。

「地元をもっと知ってもらいたい」という願いを込めて

2階席からは、格子戸の向こうに勢溜の大鳥居が見える

日本の各地域の象徴となる場所に建築デザインされ、地域の文化を発信する店舗“リージョナル ランドマーク ストア”として2014年に誕生した出雲大社店のコンセプトは「和と洋の縁結び」。和風の造りに出雲大社よりインスピレーションを得たデザインが施され、2階席からは勢溜の大鳥居が見える。参拝後などに、多くの観光客が休憩しようと訪れる。そんな観光地で地元のためにできることをとパートナーたちが考えたのが、コミュニティボードで地元の魅力を発信することだ。

客席中央には出雲勾玉をイメージした大きなコミュニティテーブルと、出雲大社の注連縄の垂れをイメージした照明が配されている

毎年制作する出雲駅伝のボードは、出場選手にも喜ばれているそう

「地元の方には『地元をもっと好きになる』、観光客の方には『出雲のことをもっと知ってもらう』。その2つの思いが縁を結ぶようなメッセージになるようにといつも考えています」と語るのは、今年4月までストアマネジャー(店長)を務めた、現「ゆめタウン出雲店」ストアマネジャーの春満奈美さん。

「出雲駅伝は店の前がスタート地点。バン!というスターターピストルの音も聞こえるんですよ」と、ストアマネジャーの春さん

そんな気持ちに至ったのは、春さんが沖縄出身であることも関係しているようだ。「生まれ育った自分には当たり前すぎて、沖縄の自然や文化などのよさには離れてから気付きました。だからきっと、出雲に暮らす方たちにも当時の私のような人がいるかもしれません。出雲は、暮らしを楽しまれている方が多い魅力的な地域。コミュニティボードが地元を愛せるきっかけになればいいなと思っています」

今年4月に掲示したのが、全国的に見ても神楽が盛んな島根県の中で、特に出雲地域に伝わる「出雲神楽」。ボードには奏楽に合わせて刀や扇、幣(ぬさ)を手にして舞う姿が描かれた。

石見地方に伝わる石見神楽との違いに焦点を当てて出雲神楽を紹介

紹介のきっかけは、出雲神楽を代々受け継ぐパートナーがいたこと。「町内各所でとても盛んに舞いが披露されていて、出雲大社から笛の音が聴こえてくることもありました。しかしコロナ禍で活動がなかなかできないことを知り、少しでも役に立てばという気持ちで文献などをお借りして、勉強しました」と春さん。

昨夏はコミュニティボードを使って遊び心のある試みも行った。県内4店舗のボードの写真を撮って並べると“縁”という文字ができあがるというものだ。4店舗の大枠を決めたうえで、デザインは各店自由。「出来上がったら想像以上によいものになっていて感動しました」とは、パートナーの中心になってボードを描く堀西美也子さん。

「コミュニティボードは専用のペンで書くんです」と、堀西さん

「遠くに出かけられないコロナ禍だからこそ、島根県を巡ってもらうきっかけに」との思いを込め、出雲大社の八雲、玉造の勾玉、松江城、コーヒーの木や豆…。島根県とコーヒーの文化が融合したボードが完成した。「他店で撮影したボードの画像を見せてくださるお客さまがいらしたり、パートナーたちも他店を行き来したりして、つながりが深まって私たち自身も楽しかったです」と語る。

4店舗のボードを並べると、“縁”という文字が浮かび上がる

こうしたボードを目当てにお店に訪れるお客も少なくなく、写真をファイリングしている人、毎年正月の“謹賀新年”のボードの写真をスケジュール帳の表紙にしてくれる人までいるという。

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